なぜ人手不足になるのか?
人手不足の現状
人手不足が起きている大きな要因のひとつが少子高齢化です。現在日本に住む27%以上の人が65歳以上の高齢者となっており、その割合は年々増加しています。このままいくと2065年には4人に1人が75歳以上の高齢者になると言われています。実際にどのくらいの介護人材が足りていないのかというと、2015年の段階では4万人不足しているとされていたのが、2035年には80万人弱もの人材が不足すると予想されています。今でもすでに66%の介護施設が人手不足に困っているというデータもあり、早急な人材確保が求められている状況です。介護職の中でも特に人手不足に困っているのが訪問介護で、80%以上の事業所が人手不足を感じているとされています。
また、人手不足の問題をより深く知るには介護保険制度の存在を見逃すことはできません。介護サービスを必要とする人に対して国が費用を給付する制度ですが、この制度が導入される前は介護と言えば家庭内、特に主婦が行うものであるという考え方が根付いていました。しかし今は女性の社会進出やライフスタイルの変化があり以前までの考え方では高齢者の介護を続けていくのは難しくなりました。そういった変化や社会のニーズをくみ取ってつくられたのが本制度です。しかし法令で定められた人員配置に対応できずに苦労する介護施設が多くあるのが実情です。
人手不足が起きる理由
多くの介護施設で人手不足に悩まされている理由をみていきましょう。第一に挙げられるのが、採用が困難であるという点です。なぜ必要な人材を採用できないのかというと、どの介護施設も人材の確保に躍起になっているため競争が厳しく、ほかの産業と比べて労働条件が良くない部分も多いので、採用競争に勝てずに苦労しているところが多いようです。労働条件で言うと特に給与面が問題となっており、全産業の平均給与は月30万円ほどなのに対して介護職は20万円ほどです。また、介護職を離職した人にその理由をアンケート調査したところ、もっとも多かったのは人間関係の問題でした。採用問題や賃金問題もありますが、職場の人間関係による離職も大きな問題となっています。
そして、介護職に対するネガティブなイメージも人手不足につながる要因のひとつとして考えられます。待遇が悪く、体力的にも精神的にもつらい仕事であるというイメージを多くの人が持っているようです。しかし実際にはそれを理由に離職する人が特別多いわけではなく、上記のように人間関係を理由に離職する人のほうが多いというのが実情です。そのため、こういったネガティブイメージを払しょくする取り組みも求められています。
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